消化器内科では、消化に関連する臓器を専門的に診察します。
口から肛門までの通り道である食道・胃・十二指腸・小腸・大腸などの消化管だけでなく、肝臓・すい臓・胆のうなども消化には深く関わっています。これらの消化に関わる臓器を専門とするのが消化器内科になります。
当院では丁寧な問診と診察はもちろんのこと、レントゲンやCT、超音波検査、内視鏡検査といった検査機器を設備しており必要に応じた検査をすることで早い段階での病気の発見に努めています。
健康診断の精密検査も受け付けておりますのでご相談ください。
内視鏡検査については「苦痛の少ない内視鏡検査」をモットーに年間1200件以上の検査を実施しています。
診療時間
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
午前(9:00~12:30) | 院長 | 院長 | 院長 (※1) | 院長 | 院長 (※1) | 院長 |
午後(14:00~17:00) | 院長 | 休診 | 院長 | 院長 | 院長 | 休診 |
主な症状
☑胸やけ | ☑吐き気・嘔吐 | ☑痔 |
☑胃もたれ | ☑食欲不振 | ☑黄疸 |
☑胃痛 | ☑背中の痛み | ☑だるさ |
☑飲み込みづらい | ☑下痢 | ☑️便秘 |
主な疾患
食道がん
食道がんは食道の粘膜からできる悪性腫瘍の総称です。早期には無症状のことが多いですが、進行すると飲み込む際のつかえ感や熱いものがしみるような症状がみられるようになります。さらに進行すると、胸や背中の痛み・食欲不振・体重減少・嗄声(声がかすれる)といった症状がみられるようになります。
逆流性食道炎
胃の内容物(主に胃酸)が食道に逆流することにより、食道に炎症を起こす病気です。
この病気は成人の10~20%がかかっていると推定されていて、中でも中高年、特に高齢者に多く見られます。
胸が焼ける感じ、酸っぱいものが上がってくる、食後に胸やみぞおちあたりが痛いというのが主な症状です。
胃がん
胃がんとは胃の粘膜からできる悪性腫瘍の総称で、胃炎や委縮している胃の粘膜から発生すると言われています。また、ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の感染と深く関連しています。早期には無症状のことが多いですが、進行してくると腹痛(みぞおち周辺の痛み)・胃もたれ・胸やけ・吐き気・食欲不振などの症状がみられるようになります。
胃がんが進行すると、がんの部分からじわじわと出血して吐血や黒色便などの症状が出現することもあります。
機能性ディスペスシア
機能性ディスペスシアとは、胃カメラ検査をしても胃潰瘍や胃がん・食道がんなどの病気がないにもかかわらず長期間にわたって胃もたれや胃の痛み・胸やけなどの症状が続く状態です。ストレスや喫煙、不規則な生活習慣など様々な原因が合わさって症状がでると考えられています。
胃潰瘍
胃潰瘍は、胃酸によって胃の粘膜がただれて深くえぐれてしまう病気です。ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)感染や痛み止めの内服などが原因と考えられています。
胃潰瘍が浅い状態では無症状のものもありますが、深くなるとみぞおちに強い痛みが出るようになったり、潰瘍から出血が起こると吐血や黒色便といった症状がみられたり、出血により貧血の症状が出現することもあります。
十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍は、胃潰瘍と同様に胃酸の分泌と防御機能のバランスが崩れることによって胃酸過多となり、十二指腸粘膜を傷つけてしまう病気です。
症状は胃潰瘍と類似していますが、特徴的な症状としては空腹時におきるみぞおちの痛みと臍周りの痛みです。腹痛は鈍く、うずくような痛みで、食事と取ると胃酸が中和されることにより痛みがかるくなります。
ヘリコバクターピロリ菌(ピロリ菌)
胃がん患者さんの99%でピロリ菌の感染が見られ、胃がんのほとんどはピロリ菌感染が原因です。ピロリ菌は土壌や井戸水に存在し、日本では昭和40年代ごろまで飲料水に井戸水を使用していた地域があり、その時代に幼少期を過ごした50代以上の人に感染が多い傾向にありますが、上下水道の普及によりピロリ菌の保有者は減少傾向にあると言われています。ピロリ菌に感染しても自覚症状はないことがほとんどですが、ピロリ菌感染が長期に渡ると胃の機能が大きく低下するため胃がんや胃潰瘍・十二指腸・慢性胃炎・萎縮性胃炎などの病気を引き起こします。
ピロリ菌の感染が判明した場合には抗生物質の内服による除菌治療を行います。一般的に95%以上が除菌に成功すると言われています。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、内視鏡などの検査をしても大腸や小腸に異常は認めないにもかかわらず、慢性的に腹部の違和感や腹痛があり、その症状が下痢や便秘と関連している病気です。過敏性腸症候群に悩む患者は増加傾向にあり、特に10~30代の若い世代に多い傾向にあります。
症状としては、便秘型・下痢型・便秘と下痢を繰り返す混合型があります。
原因についてはまだ分かっていないことが多くありますが、腸内細菌叢のバランス・食事内容・ストレスなど様々な要因が発症に関与していると考えられています。
大腸がん
近年、大腸がんは日本で一番罹患率の高いがんで、女性では死亡率第1位、男性では第2位となっています。その一方で、早期発見・早期治療できれば非常に治癒率が高く完治できる疾患でもあります。
早期には自覚症状がはとんどありませんが、注意すべき症状がいくつかあります。
便秘と下痢を継続的に繰り返すといった排便の変化・血便(明らかな鮮血だけでなく、褐色便や黒色便のこともある)・体重減少・腹痛や腹部のはり感などの症状がみられます。
大腸ポリープ
大腸ポリープとは、大腸の壁の最も浅い粘膜から内側にイボ状に盛り上がった隆起のことをいいます。多くは無症状で、健診の便潜血検査で陽性の結果から大腸内視鏡検査が行われ発見されることがほとんどです。大腸ポリープの大半は良性ですが、一部は悪性(大腸がん)のもの、また悪性になる可能性があるため早期発見・早期治療が大切になります。
ほとんどの良性ポリープや一部の早期大腸がんは内視鏡で切除することが可能です。
急性膵炎・慢性膵炎
急性膵炎は、膵液(膵臓が分泌する消化液)で膵臓自身を溶かしてしまう自己消化によって、膵臓の組織が炎症を起こしてしまう病気です。
症状としてはみぞおち周辺の上腹部の激しい痛みに始まり、腹部全体に広がります。
その他にも、吐き気や嘔吐・背部痛・黄疸といった症状がみられます。症状が進むと膵臓組織からの出血や壊死等が生じ、さらに悪化すると膵臓から様々な有害物質が血液中に流れ込み他の臓器に運ばれるため、心臓・肝臓・腎臓等に障害をおこし生命に危険を及ぼすこともあります。
慢性膵炎は、10年以上の長い時間をかけてゆっくりと膵臓の組織が破壊され、膵臓の線維化や石灰化が起きることで膵臓の機能が低下してしまう病気です。慢性膵炎を発症すると元の正常な状態に戻ることはなく、膵臓の機能低下に伴い糖尿病など様々な合併症を引き起こすことがあります。
普段は無症状のケースもありますが、飲酒や過食の後に激しい腹痛や背部痛が起こることがあります。また、慢性膵炎から膵臓がんに進行するケースも多くあります。
すい臓がん
すい臓がんは、膵臓にできる悪性腫瘍のことです。初期には無症状のことが多いため、早期発見が極めて難しいがんと言われています。進行するとお腹や背中の痛み・食欲低下・体重減少といった症状が見られます。膵頭部にできたがんが進行してくると胆汁の通り道をせき止めて体が黄色くなる(黄疸)・尿が濃くなる・便が白くなる・皮膚にかゆみが出るといった症状が出ることがあります。また、新しく糖尿病と診断されたり、もともとの糖尿病のコントロールが急激に悪くなることもあります。
膵臓がんは診断された時点で手術ができない状態で発見されるケースが大半を占めると言われています。
胆石症・胆のう炎
胆のうは、肝臓と十二指腸をつなぐ管の途中にある臓器で、肝臓で作られた胆汁を貯めておく働きがあります。胆汁は、消化を助ける働きをする働きがあり、食事を取ると胆のうに貯めていた胆汁が胆管を通じて十二指腸に送り込まれます。
胆汁の成分が固まってできた結石のことを胆石といい、胆石症は胆管や胆のうに胆石がたまる病気です。胆石症は無症状のことが多く、検診や人間ドックなどで偶然に発見されるケースがほとんどです。しかし、胆のうが収縮するときに胆石が移動して、胆のうの出口に胆石が詰まると激しい腹痛がおこることがあり、これを「胆石発作」といいます。
右上腹部やみぞおちに非常に激しい痛のこともあれば、ズーンと重い感じがするだけの軽いこともあります。数時間で自然と治まってしますことがあるのも特徴です。
胆のう炎とは、胆のうが炎症を起こしている状態のことをいいますが、胆のう炎の9割以上が胆石が原因だと言われています。胆石が胆管に詰まり、細菌感染や膵液が胆のうに逆流することで炎症が引き起こされると考えられています。
胆のう炎の症状としては、初期の段階では上腹部の不快感や鈍痛を感じる程度ですが、炎症の進行に伴い右上腹部の強い痛みから激痛・吐き気や嘔吐・発熱・胆汁がせき止められることによる黄疸などがみられます。
胆のうポリープ
胆のうポリープとは、胆のうの粘膜から胆のうの内側に発生した隆起のことです。胆のうポリープには自覚症状はなく、検診や人間ドックで偶然見つかることがほとんどです。
ポリープの大半以上はコレステロールを主成分とする良性のもので、がん化のリスクはないため治療の必要はありません。しかし、まれに悪性のものもあるため、悪性の可能性がある場合は経過観察が必要になります。
肝機能障害
肝機能障害とは、何らかの原因で肝臓の機能が低下した状態のことをいいます。肝機能障害が起きた場合でも初期に目立った自覚症状が出ることはなく、検診や人間ドックなどの血液検査で異常を指摘されることがほとんどです。しかし、肝臓は代謝や解毒、エネルギーの貯蔵など生命にとって非常に重要な働きをしている臓器であるため、肝機能障害に気づかず放置し症状が悪化してしまうと命を脅かす可能性もあります。
肝機能障害を起こす原因は様々ですが、代表的なものに脂肪肝・肝炎・肝硬変・肝臓がんなどがあります。
脂肪肝
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が貯まった状態です。自覚症状がないことがほとんどで、健康診断や人間ドックで肝機能の異常を指摘されるまで気づかないことが多いです。
脂肪肝はアルコール性と非アルコール性に分類され、アルコール性の場合は多量飲酒が原因です。非アルコール性の場合は肥満や運動不足が原因とされています。
肝炎
肝炎とは、肝臓の炎症(身体や組織をウイルス、細菌などから守るための防御反応)であり、その炎症によって肝臓の肝細胞が壊れてしまった状態です。肝炎の原因はウイルス感染や生活習慣など様々です。
B型肝炎、C型肝炎に代表されるウイルス性肝炎・アルコール性肝炎・自己免疫性肝炎・薬剤性肝炎などがあり、中には慢性肝炎の経過をたどり肝硬変や肝臓がんへと移行するものもあります。
肝硬変
肝硬変とは、慢性化した肝炎が徐々に進行し肝臓が固くなった状態をいいます。
肝硬変になると肝臓の機能が著しく低下するため、むくみや腹水が貯まるなどの症状の他にも肝臓の解毒作用が低下することでアンモニアなどの有害物質の血液濃度が上昇し、脳機能の低下を引き起こし肝性脳症と呼ばれる状態になることもあります。
肝臓がん
肝臓がんは、肝臓から発生する「原発性肝臓がん」と他のがんが肝臓に転移して発生する「転移性肝臓がん」の2つのタイプがあり、転移性肝臓がんの方が多く原発性肝臓がんの4~10倍と言われています。
原発性肝臓がんの原因は、B型やC型肝炎による慢性肝疾患からの移行が80%を占めています。しかし、近年ではウイルス性肝炎の治療の発展によりウイルス性肝炎が原因の肝臓がんは徐々に減少していくと予想されています。