下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)とは、肛門から内視鏡を挿入して大腸全体(直腸から盲腸まで)の内部を観察する検査です。大腸全体の内部を鮮明に映し出すことができるため、大腸がんや大腸ポリープなど大腸内にしこりができる病気や、クローン病や潰瘍性大腸炎など大腸粘膜に炎症を引き起こす病気の有無を詳しく観察することが可能です。
がんの中で日本人が最も多くかかるのが「大腸がん」です。大腸がんは、進行が遅い、性質が比較的おとなしい、ほかの臓器に転移しても切除可能といった特徴があり、治る可能性が高いと言われています。そのため、早期に早期に発見して適切な治療を受けることが大切になります。
しかし、大腸カメラに対しては痛い・苦しい・下剤を飲むのが大変・恥ずかしいといったマイナスのイメージが強い検査でもあります。
当院では痛みや負担の少ない「苦しくない内視鏡検査」を提供することで、検査に対する恐怖心や苦手意識を軽減し検査を受けていただくことで病気の早期発見・治療をめざしています。
当院の大腸カメラの特徴
1,胃カメラと同日の検査が可能です
大腸カメラの際には食事を摂らず、下剤を内服した状態で来院していただきます。なので、胃の中も観察できる状態です。同日に検査される場合は、先に胃カメラを受けていただき、少し休んでいただいた後に大腸カメラを受けていただきます。お忙しい方やせっかくなら1日で検査を終わらせたいとお考えの方に喜んでいただいています。
2、鎮痛剤を使用します
大腸カメラは、その方の大腸の走行や手術歴・下剤の残り方などによって痛みを生じる検査です。
できるだけ苦痛なく検査を受けていただくために鎮痛剤を使用して検査を実施します。
「眠った状態で検査をしてほしい」という方もいらっしゃいますが、検査中は痛みの状態を確認しながら行いますので当院では大腸カメラの際の鎮静剤の使用は実施していません。
3,NBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光観察)の併用
NBIとは、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい紫と緑の2つの特殊な光を照らすことで、粘膜表層の毛細血管やそのパターンなどが強調して鮮明に表示される観察技術のことをいいます。これにより、通常光による観察では見えづらかったがんなどの病変の早期発見に貢献できることが期待されています。
検査の流れ
1,受付
下剤の飲み方、検査の注意事項等の説明、患者様の症状や全身状態を把握させていただくために、まず初めに内科・消化器内科の受診をお願いしています。
受診時にご都合の良い日程をご相談し、内視鏡検査のお日にちを決めます。
また、全身状態の把握や感染症の有無を確認するために血液検査を行っています。
2,検査前日
夕飯は午後7時までに済ませてください。
お水やお茶といった透明な水分は就寝まで摂っていただけます。
※検査前日の食事内容や下剤の飲み方については、ご予約を取った際に看護師から説明いたします。
3,検査当日
検査当日は十分に腸管内を洗浄するために早朝からご自宅で腸管洗浄液(下剤)を服用していただきます。
朝食は摂れません。お水やお茶といった透明な水分はお摂りいただけます。
※腸管洗浄液の飲み方については看護師から説明があります。
検査後はお腹が張った状態になりますので、着替えやすいお腹にゆとりのある服装でお越しください。
4,ご来院~前処置
ご指定の時間にご来院いただき受付をして下さい。
保険証・診察券・検査同意書を忘れずにお持ちください。
受付後、自動血圧計にて血圧を測ってお待ちいただきます。
時間になりましたら前室にて、検査用パンツに着替えていただき点滴注射をします。
5,大腸カメラ検査
肛門から内視鏡を挿入し、大腸をまんべんなく観察します。
検査の所要時間は、おおよそ10~30分になります。
(大腸の走行、お腹の手術歴、下剤の残り具合によって検査時間には個人差があります。)
鎮痛剤は、検査直前に医師が投与します。
6,検査終了後
検査後は10~20分程度は待合室にてお休みいただき、体調が悪くならないことを確認してからお帰りいただきます。体調が優れない場合は回復室にてお休みいただけます。帰宅できる状態になりましたら1階受付にお声掛けください。
検査結果は1週間程度しましたらご来院いただき、医師より説明をお受けください。
検査費用
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
大腸カメラ(観察のみ) | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 |
大腸カメラ+生検+病理(1臓器) | 3,400円 | 6,800円 | 10,200円 |
お支払方法
現金、カード決済、QR決済でのお支払いが可能です。
よくある質問
Q 生理中でも検査はできますか?
検査可能です。
検査中の出血が気になる方はタンポンを使用してください。
Q 妊娠中・授乳中の検査はできますか?
妊娠中の方の検査は行っておりません。
授乳中の検査は可能ですが、使用する薬剤によっては一時的に断乳していただくことがあります。詳しくは受診の際に医師にご相談ください。
Q 麻酔は使いますか?
麻酔は使用しませんが、麻薬系の痛み止めを使用します。
痛みの程度を確認しながら検査を進めていきますので、眠ってしまうほどの薬剤は使用しません。
Q 痛みはありますか?
腹部の手術歴がある方、痛みに敏感な方、腸の走行や下剤の残り具合などによって、痛みの生じ方は大きく変わります。
検査中は痛みを確認しながら進めていきますので、我慢せずに教えてください。
痛みが強かったり、物理的に内視鏡の挿入が困難な場合には検査を中止することがあります。
Q 検査前日にアルコールは飲めますか?
検査前日のアルコールは控えてください。
Q 食事制限はありますか?
はい。食事制限があります。
大腸内視鏡は前処置が重要になりますので、検査前日は朝から低残渣(腸に残りづらい消化の良い食事内容)の食事を摂っていただきます。
詳しい食事内容については予約を取った際に看護師から説明いたします。
Q 検査には車で行っても大丈夫ですか?
お車やバイク、自転車などご自身での運転でのご来院はおやめください。
鎮静作用のある薬剤を使用することや、検査そのものにより検査後に気分が優れなくなることがあります。
Q 検査の後、食事を含め生活に制限はありますか?
検査後はお腹が張った状態になっています。食事は摂っていただいて構いませんが消化の良い食事にしてください。組織の検査(生検)をした方は、刺激物(辛いもの)やアルコールの摂取・激しい運動などの血流の良くなるようなことは1日おやめください。
基本的に検査後の生活に制限はありませんが、検査の際に使用する薬剤や検査そのものにより体調が優れないことがございます。検査当日は無理な予定は入れないことをお勧めします。