予防接種

当院では下記の予防接種を実施しています。
予防接種によっては江東区の助成を受けられるものもあります。
詳しくは江東区のホームページをご確認ください。

予約が必要なワクチンについては、取り寄せに1週間から10日かかりますのでご了承ください。

予防接種料金一覧表

ワクチン名金額(税込予約の有無
インフルエンザワクチン4,000円
風しんワクチン(※1)

5,500円


麻しんワクチン(※1)
おたふくかぜワクチン
B型肝炎ワクチン
肺炎球菌ワクチン8,000円
帯状疱疹予防接種(水痘ワクチン)8,000円
麻しん風しん混合(MR)ワクチン9,900円
帯状疱疹予防接種(シングリックス)22,000円

※1 麻しん・風しんの単独ワクチンが全国的に品薄になっているため混合ワクチンでの接種となります。 

各種ワクチンの説明

インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチンは、不活化ワクチン(病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせたものを原材料として作られたワクチン)で、その年に流行するだろうと予測されるA型・B型それぞれ2種類ずつの4価ワクチンになります。
残念ながら、接種することで完全に感染を防げるという効果は期待できず、感染した場合に発症そのものや重症化を防ぐことが目的になります。接種することでインフルエンザを発症したとしても、風邪程度の熱や微熱程度で治まる、発熱と頭痛はあるがのどの痛みや鼻水は出ないなどの効果があるとされています。
個人差はありますが、接種後2週間後から5か月間程度は効果が持続するといわれています。
13歳以上は、通常1回接種となります。
インフルエンザの流行は12月~3月と言われていますので、流行する前の接種を推奨しています。

インフルエンザワクチンは、江東区からの助成があります。
詳しくは江東区のホームページを参照してください。


風しんワクチン

風しんワクチンは、生ワクチン(病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られたワクチン)です。風しんを含むワクチンを1度接種した人の95%、2度接種して人は99%が免疫をできると言われています。
風しんは、発熱や発疹が主な症状ですが一週間程度で収まったり、中には感染しても症状が出ないこともあります。
しかし、妊娠中の女性が風疹ウイルスに感染してしまうと、おなかの赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が出る先天性風疹症候群で生まれる可能性があります。
日本では2006年から2回の定期接種を実施していますが、それ以前の年代の方は女性のみの接種や1回接種であったりした期間があったため風しんの免疫をついていない人がいます。
子供のころに風しんにかかった・ワクチンを打った記憶があるから大丈夫と思われている方も多いですが、かかったということが勘違いであったり、1回しか接種していないため年月の経過とともに抗体が薄れてしまっていることがあるので注意が必要です。
妊娠中の女性を風しんから守るために、風しんの抗体検やワクチン接種の実施を推奨しています。

江東区では、これから妊娠を予定されている女性と同居者の方を対象に「風しん予防接種費用全額助成(無料接種)」を実施しています。詳しくは江東区のホームページを参照してください。

麻しんワクチン

麻しんワクチンは、生ワクチン(病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られたワクチン)です。麻しんを含むワクチンを1度接種した人の95%、2度接種した人は99%が免疫をできると言われています。
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で、その感染力は非常に高いと言われています。
日本では、2回の定期接種が実施されていることもあって、平成27年には世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。また、他の先進国でも2回接種法がとられているため、4世界各国で麻しん排除を達成する国が増加しています。
しかし、今でも麻しんが多く発生している国があり、その国からの輸入による感染や、それらの国に渡航し感染した人による日本国内での感染がみられることがあります。麻しんにかかった(検査で診断された)ことがない方が海外渡航される時には、あらかじめ麻しんの予防接種歴を確認し、麻しんの予防接種を2回受けていない場合、又は接種既往が不明の場合には予防接種を受けることを検討してください。

おたふくかぜワクチン

おたふくかぜワクチンは、生ワクチン(病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られたワクチン)です。
おたふくかぜは、ムンプスウイルスによる感染症で、「流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)」という疾患です。予防接種が有効な疾患で、主に4歳までの子どもに起こりやすい病気ですが、大人でもかかってしまうことがあります。大人になって発症したおたふく風邪は症状が強く、合併症のリスクも知られています。
たいていの場合、38℃を超える発熱がみられ、場合によっては40℃を超える高熱になることもあり、稀ではありますが、男性の場合は睾丸炎を引き起こし、生殖器機能にダメージを受けてしまうこともあります。また、耳下腺や顎下腺・舌下腺が腫れることで飲み込む時の痛みが生じ、食事が飲み込めないということもあります。
おたふくかぜの原因であるムンプスウイルスは非常に感染力が強く、予防法としては予防接種が有効と言われています。

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンは、不活化ワクチン(病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせたものを原材料として作られたワクチン)です。
肺炎で亡くなる97.9%は65歳以上の高齢者です。高齢になると体力が衰えることや糖尿病などの持病により抵抗力(免疫力)が弱まると細菌などに感染しやすくなります。この細菌が肺に入り込み、肺の中で炎症を起こすことで肺炎にを発症します。高齢者の肺炎の原因菌として最も多いのが肺炎球菌です。
肺炎で亡くなる方の97.9%が高齢者であることから、特に高齢者(65歳以上)では肺炎球菌による肺炎などを予防することが重要になります。

肺炎球菌ワクチンは、平成26年から定期接種となっており江東区による助成があります。
詳しくは江東区のホームページを参照してください。


 

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンである「水痘ワクチン」と、不活化ワクチンである「シングリックス」があります。
帯状疱疹とは、水痘帯状疱疹ウイルスの感染によって起こります。最初の感染で水ぼうそう(水痘)が起こり、それが治った後も水痘帯状疱疹ウイルスは神経に潜んでいます。加齢やストレス・過労などにより免疫力が低下すると潜んでいたウイルスが再活性化することで帯状疱疹が起こります。帯状疱疹の症状は、皮膚の痛み・かゆみ・違和感と水疱がメインになります。皮膚の症状が神経に沿って帯状に起こるため帯状疱疹といいます。
症状は、おおよそ3週間程度で治まりますが、痕はしばらく残ってしまいます。また、皮膚の跡が消えても痛みが残ってしまうことがあり、これを帯状疱疹後神経痛と言います。帯状疱疹後神経痛の痛みは非常に強いことがあり、日常生活に支障が出てしまうこともあるほどです。
帯状疱疹が目の近くにできると最悪の場合は失明、耳の近くにできるとめまいや顔のひきつれなどの症状が見られることがあります。
水ぼうそうにかかったことがある人は、すでに水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむという報告があります。

それぞれのワクチンの比較

水痘ワクチンシングリックス
特徴生ワクチン不活化ワクチン
効果発症予防 50%
帯状疱疹後神経痛 30%軽減
発症予防 97%
帯状疱疹後神経痛 88%軽減
接種回数1回2回
接種方法皮下注射筋肉注射
副反応注射部分の痛み・腫れ
倦怠感など
症状は3日~1週間以内
注射部分の痛み・腫れ
倦怠感・頭痛など
症状は3日~1週間以内
シングリックスの方がやや副反応が強い
持続期間5年程度9年以上
利点価格が安い
副反応が少ない
高い効果が得られる
欠点シングリックスに比べて予防効果が劣る2回接種する必要がある
価格が高い

江東区では、50歳以上の方を対象に帯状疱疹ワクチンの助成をしています。
詳しくは江東区のホームページをご覧ください。

麻しん風しん混合(MR)ワクチン

麻しん風しん混合ワクチンは、麻しん・風しんを予防するワクチンで、生ワクチンになります。
麻しん・風しんの予防接種の必要性などについては「麻しんワクチン」「風しんワクチン」の項目を参照してください。